「便秘が続くと腰まで痛くなる…」
「腰痛が悪化すると、お腹も張って便が出ない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
この「便秘と腰痛」は別問題に思うことが多いですが、整体の現場ではこの2つが関連しているケースが非常に多いのです。
このような悩みを訴えられる方が非常に多いので、今回「便秘と腰痛が同時に起こるメカニズム」についてお話ししたいと思います。
目次
1. 便秘と腰痛を同時に引き起こす4つの隠れ原因
便秘が続くと、単にお腹が張るだけでなく「腰が痛い」という状態につながるのは、次の4つの理由があるからです。
【1】交感神経の緊張で腸の動きが低下し、腰部の筋肉も固まる
便秘そのものの背景はストレスによる”交感神経の緊張”からきます。交感神経が優位になると…
・腸の蠕動運動(ぜんどう)が低下
・血流が悪くなり腸が動きにくくなる
・腰周りの筋肉(脊柱起立筋・腰方形筋)も血流悪化で緊張を起こす
このように自律神経の乱れから、腸と腰が同時に影響を受け、そこから便秘と腰痛に移行するのです。
【2】腸機能低下により腹直筋が弱る
腸の働きが落ちると、腸と神経的につながる腹直筋にも反射的な影響が出ます。これを 「内臓体性反射」 と言います。
腸の働きが低下すると、
→ 神経を通してお腹の前側(腹直筋)が弱くなる
→ お腹と腰の筋力バランスが乱れる
→ 腰の筋肉だけで体を支える状態になる
つまり、腸の不調が「腹筋の弱さ」につながり、結果的に腰の負担を増やします。
【3】腹圧低下で腰の支持機能が弱くなる
便秘でお腹が張る
→ 正しい「腹圧」が入らない
→ 腰椎(腰の骨)を支える力が弱る
→ 腰痛が起こる
腹圧は、お腹の内側から圧力を上げて、腰をサポートする機能を担っています。便秘は腸機能の低下によって、腹圧に悪影響を与えるため、腰の安定性を大きく下げてしまう のです。
【4】便秘の不快感で猫背姿勢になり、腰の筋肉に負担増
便秘でお腹が痛い・張ると、お腹を守るために自然と体を丸める“猫背姿勢”になります。猫背になると…
・骨盤が後傾する
・腸が落ち込み動きもさらに低下
・腰の筋肉が伸ばされて負担が増える
こうして 便秘 → 猫背 → 腰痛 の流れが完成します。
★つまり、便秘と腰痛はこうつながる
腸の低下 → 腹筋弱化 → 腰部の筋バランスが崩れる → 腰が固まり腰痛
このパターンが最も多いのです。
2. 便秘と腰痛が同時に起こる人の共通する生活習慣

便秘も腰痛も“生活の癖”が作り出します。とくに以下の習慣がある人は要注意です。
✔ 長時間座りっぱなし(骨盤が後傾し腸が圧迫)
✔ 猫背・反り腰・骨盤のゆがみ
✔ 胸郭が硬く浅い呼吸になっている
✔ 運動不足で腹筋・インナー筋が弱い
✔ 水分が少ない、朝食を抜く
✔ ストレス過多・睡眠不足
これらはすべて、腸の動き+腰部の安定性の両方を低下させる生活パターンです。
3. この状態が続くとどうなる?
便秘と腰痛は、放置すると“加速的に悪化”します。
● 腸が動かない → ガス・便が溜まる → さらに猫背になる
● 猫背で腹筋が弱り腹圧低下 → 腰痛悪化
● 腰痛が出る → 動かなくなる → 腸もさらに動かない
つまり 悪循環のスパイラル に入ります。
ひどい方は、
・ますます便秘が悪化
・ぎっくり腰を頻発
・腰痛が慢性化する
・下腹がぽっこりする
・お腹が冷える
・生理痛の悪化
につながるケースもあります。
4. 便秘と腰痛を同時に改善させるステップケア
自宅で簡単にできて、腸と腰の両方に効く方法を紹介します。
【1】深呼吸で横隔膜ストレッチ(自律神経調整)

効果:胸式呼吸と腹式呼吸を最大限使えるように、肋骨の柔軟性を確保。腸の動き改善・交感神経の緊張を緩める
〈やり方〉
①肋骨下部(みぞおち)に手を引っ掛ける
②背すじを伸ばし、鼻から4秒吸う
③胸とお腹を膨らませながら息を入れる
③10秒かけて口から吐きながら前屈し、手を肋骨の奥にしずめていく
④これを10回行う
※お腹の奥がじんわり伸びる感覚があればOK
【2】腰ひねり体操(腸・腰の血流改善)

〈やり方〉
①仰向けになり、手は広げる
②骨盤をひねるように左足を反対側(右側)に持っていく
③顔は左を向ける
④必要に応じて左膝を右手で押さえながら20秒キープ
⑤反対側も同様に行う
→背中から骨盤までのひねり運動のため、腰椎の可動域がアップします。
【3】背骨丸め・反らしストレッチ

〈やり方〉
①壁に向かって両手をつく
②足は肩幅よりやや広めに
③まず顔をおなかに近づけながら骨盤・背骨をゆっくり丸めていく(10秒)
④次に腰をゆっくり反らせていく(10秒)
⑤この動作を10回繰り返す
これは、
・腸の揺らし効果
・腰椎の動き改善
が同時に得られます。
【4】朝にコップ一杯の常温水を飲む

朝の水は腸のスイッチを入れる最強の方法です。
・起きてすぐ常温水200mlをゆっくり時間をかけて飲む
・これによって腸が動き出し、朝から腸の動きを活発にしてくれます。
5. 食生活で気をつけたいポイント
腸と腰の両方にやさしい食事は次の通り。
✔ 水溶性食物繊維を増やす(海藻・果物・大麦)
✔ 発酵食品を摂る(味噌・ヨーグルト・納豆)
✔ 冷たい飲み物・刺激物を控える
✔ 食事はよく噛む(胃と腸の負担減)
✔︎場合によっては、腸内環境を整えるサプリの服用も効果的
また、食後の姿勢も重要です。
✔ 腰の正常な湾曲(S字)を保って座る
✔ 1時間以上は座りっぱなしにならない
✔ 間に上記のストレッチを入れると尚良し
背中が丸まると腸が圧迫されて便秘になりやすいので注意しましょう。
6. 整体的アプローチで整える方法

整体では、便秘と腰痛を同時に改善するために以下を行います。
✔ 骨盤と肋骨の歪み調整で腸のスペースを作る
✔ 横隔膜のリリースで呼吸+腹圧を改善
✔ 腹直筋の調整で腰の安定性UP
✔ 背骨の湾曲を整え姿勢の安定化
✔ 自律神経を整える施術
これらにより、お腹の動きが良くなり、腰の負担も軽減される“改善の土台”が整うのが整体の大きなメリットです。
7. まとめ
ここまで読んでいただいて、便秘と腰痛は別々の問題ではなく連動して起きているということが理解できたと思います。少しおさらいすると、
✔ 腸の低下で腹筋が弱化
✔ 腹筋と腰部の筋バランスが崩れる
✔ 腰が固まり痛みが出る
セルフケアで腸と腰の動きを取り戻すことが可能ですので、まずはセルフケアを習慣にしてみましょう。
もし長引いていて改善が困難な場合は整体的アプローチを考えてみるの良いかも。便秘と腰痛の根本を早く同時に整えることができます。気になっている方は一度ご相談を。











